セミナー&交流会実施レポート「行事食・イベント食の取り入れ方」
baby's fun!では毎月、給食運営に関わるテーマでセミナー&交流会開催しています。
今回は、「行事食・イベント食の取り入れ方」を全国の保育園栄養士向けにお話させていただきました!
baby’s fun!は、今年度より全国の保育園様に離乳食、幼児食専用の食材キットの販売に限らず、全国の登録園の管理栄養士・栄養士のコミュニティづくり、知識のブラッシュアップのためのセミナーや交流会などを毎月無料で開催しております。
他園ではどんな行事食・イベント食を作っているのか、今年度の行事食のアイディアを探している、他園はどんなことをやっているのか聞いてみたいなど、行事食やイベント食について情報を得たい栄養士、園長先生、保育士の皆様にご参加いただきました。
交流会では、最初に以前保育園で勤務をしていたbaby’s fun!の管理栄養士よりどんな行事食をつくっていたか写真を見せながらお話しさせていただきました。その後、他園ではどんな行事食、イベント食を提供しているのか、盛り付けの工夫されている点、子どもたちが食事を楽しむためのメニューやアイディア、新しい食材やメニューの導入やアレルギー対応の食材選定などについて情報交換や意見交換をしました。一部をご報告します。
●開催日:4月26日(水)13:10〜14:00、15:00〜15:50
●開催場所:オンライン(zoom)
●参加人数:9人
行事食について
・5月(こどもの日):ホットケーキミックス生地とサツマイモの餡で、子どもたちに手袋をして包んでもらい柏餅を作りました。
主食の形だけでも工夫をして鯉のぼりの形のご飯にし、のりで装飾して提供。
・6月(時の記念日):オムライスににんじんで時計の針を見立てて提供。
・8月(夏祭り):かき氷風ゼリーを提供。かき氷だとお腹が冷えてしまうので、寒天を使って工夫しました。(写真①)
・2月(バレンタインデー):おやつにハートのクッキーを提供。給食にハートのマカロニをスープに入れて提供。
(写真①)夏祭り:かき氷ゼリー(ぶどうジュースと炭酸ゼリー)
イベント食について
・春と秋にピクニックランチ
使い捨てのお弁当箱に詰めて、散歩途中に食べる。お弁当箱に自分で詰めてもらい保育園内で食べた。
お弁当は、開けたときに感動してくれて嬉しかった。自分だけのものという認識があり、非日常感を味わえ楽しんでもらえた。
・セレクトランチ
毎月開催。AとBランチの2種類を用意して、子どもたちに選んでもらい提供。
・バイキングランチ
事前にお弁当箱と具材のイラストを配り、自分たちでお弁当箱にイラストに貼ってもらい、園児が作ったイラストのお弁当通りの具材をお弁当箱に詰めて提供。(写真②)
・世界の料理のリクエスト給食
年間の取り組みとして、世界の料理をリクエストできるようにリクエスト給食を実施。
保育士さんと連携し子どもたちにいろいろな国の料理を調べてもらい、食べたいと思った料理を給食にリクエストしてもらい提供。(写真③、④)
・芋掘りイベント
コロナ禍に室内でサツマイモに紐をつけてプールに置き、上から新聞紙を引いて中身をみえなくしてサツマイモをふかし芋として提供。
(写真②)お弁当箱と具材のイラスト
(写真③、④)世界の料理をリクエスト
盛り付けの工夫について
・年長さんクラスには、ピックで行事食感を出して提供。(例えば、鬼のピック、ハロウィンのピックなど)
・月齢の小さいクラスには、野菜を型抜きなどして可愛くみえるように工夫。
・高く盛るようにし、色の濃い野菜をなるべく上に盛るようにしている。
以前保育園で勤務していたbaby’s fun!の管理栄養士の行事食アイディア
6月(時の記念日)
園児に時間の読み方を保育士さんが説明し、おやつに時計ケーキを提供しました。
・文字と針の色を変え、おやつの時間の3時にし、「おやつは3時」という食育にも繋げました。
・カラースプレーは一色でなく2色を使い、みんなに2食が行き渡るように可愛くデコレーションをしました。ただし、卵由来であったため卵アレルギーには使用しませんでした。
・乳アレルギー児には、豆乳クリーム、乳なしチョコレートを使用し、見た目があまり変わらずに提供しました。
・生クリームの表面が滑らかになるようにし、文字盤を書きやすく工夫しました。
8月(夏祭り)
調理場の外観を屋台風に飾りつけをし、調理員は提供時に半被と鉢巻を着てお祭り感を出しました。
園児、保育士1日浴衣または甚平を着て参加していただき、園内のBGMはお祭りの音にしました。(太鼓などの音)
園の前では、お菓子とヨーヨー釣り、ラムネとお茶を用意、輪投げも用意し、園全体で夏祭りを楽しみました。
[昼メニュー]
焼きそば(中華麺卵不使用のもの使用)
フランクフルト(乳なしのものを使用)
焼きとうもろこし
枝豆
スイカ
・卵アレルギーの園児には、最初に主任と園長のチェックを受けながら渡しました。
・焼きそばは、パックに入れて提供し、保育士さんが用意してくださった焼きそばチケットを調理員に渡して買うスタイルにし園児たちに楽しんでもらいました。
・枝豆は、未満児さんにはフードプロセッサーで刻んでココットに入れて提供しました。
[おやつ]
たこ焼き
ラムネまたはオレンジジュース
・なるべく園児にラムネを飲んでもらいたかったため、6月ごろに一度お知らせをし、7月に食材チェックを実施し、ラムネに「×」の園児にはオレンジジュースを提供しました。
・両方ともお祭りっぽい絵柄のコップで提供しました。
12月(クリスマス)
5歳児さんクラスの園児でクッキー作りを実施。おやつにチョコレートケーキを提供しました。
保育士さんが事前に準備した簡単なクイズ(何がクッキーには入っているかな?サンタさんはどうやってくるかな?など)を用意してくださっていました。
[クッキーづくり]
コロナ禍であったため、「サンタさんにあげるクッキー」を園児たちで作りプレゼント用としました。(園児は喫食せず)
アレルギーの園児がいなかったので、卵、乳、バター入りの生地を使用。前日に何色の生地を準備するかなど担任の先生と相談して、ジプロックに入れて伸ばした生地を準備。当日はそれを分けて、園児に型抜きをして色々な色のクッキー作りをしました。
[クリスマスケーキ]
チョコレートケーキ(スポンジ部分は、卵を豆腐で代用)
チョコ(乳なしチョコレート。チョコ未食の場合は、ココアパウダーのケーキで代用)
抹茶のクッキー(バターをサラダ油で代用、卵なし。抹茶は色が出にくいため出やすいものを使用)
上の飾り(卵由来でないものを注意して買うようにする)
イチゴのサンタ(生クリームは豆乳クリームで代用)
お皿のソース(アプリコット、ラズベリーで作成)
ローズマリーを逆さに乗せてツリーぽく(誤食があると危ないので、提供前に注意して頂いた)
まとめ
行事食やイベント食を実施するうえので、多職種との連携では1ヶ月に1回給食会議を開催して、相談している園もあれば随時何かやるときは先生方と相談している園などさまざまでした。
アレルギー児への行事食・イベント食への対応は、アレルギー児でも同じものを提供できるように食材を選定している園は7割、アレルギー児は除去されているけど形は同じものを提供している園は3割でした。少ない人数で調理を行う園ではなるべく同じものを提供できるように、卵・乳不使用の食品を探して取り入れていれコンタミネーションに注意しながら、子どもたちが同じものを楽しく味わってもらえるように工夫されていました。
子どもたちに喜んでもらえる行事食・イベント食についてたくさんのアイディアを情報交換し、とても有意義な会となりました。
参加者の感想
・なかなか、他園お方と交流する機会がないためお声かけていただき、締め切り間際に参加を決めてよかったと思います。
・他園の情報と、アレルギーに関しての情報が得られた為
・他園での行事食の様子を聞かせていただいたり、写真を見せていただいたりする機会がなかなかないので、このような機会を作っていただき有意義な時間となりました。
◆今後の交流会・研修会の予定◆
毎月 、第1水曜日の13時〜14時 or 15時〜16時に開催しております。
5月17日(水) 離乳食の進め方
6月5日 (金) 衛生管理について
7月5日 (水) 食物アレルギーの子のためのおやつアイディア
8月2日 (水) 災害時備蓄について
9月13日(水) 好き嫌い克服事例について ※9月のみ第二水曜日の開催となります
10月4日(水) 外国人向け給食提供について
他園と交流できる場を作っていきたいと思っておりますので、ご参加お待ちしております!
皆様とお会いできることを楽しみにしております。
引き続き、baby's fun!をよろしくお願いいたします。